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重伝建83 大島村神浦

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私の町並みの師匠 吉野文明さん http://ta-ma.iza.ne.jp/blog/entry/768154/ に随分前に穴場として教えてもらってた的山大島神浦(あづちおおしまこうのうら)。結局、私は平戸市になってからやっと踏査。


やっぱり離島の町並みって思い付きが悪い。船という乗り物に予定をあわすことが大変。結局仕事終わって(妻を連れて←滅多に無い)夜のフェリーに乗って九州上陸後、平戸時発のフェリーに乗った。仮眠は船の中が主。いくら知っていた道中とはいえ、きつかった。


さて、悲願の島上陸。島の交通手段は路線バスのみ。頻繁に便があるわけでもなく、結局「時速5キロで歩いたら2時間で10キロだろ」なんて言いながら二人で歩き始めた。


途中にシャッター切ってたら時速5キロ歩けるはずも無く。港が見えなくなったあたりで地元の軽トラが突然停車。撮影にクレームかと思いきや反対。事情を言ったら乗せてもらう事になった。いやそのつもりで停車してもらったんだ。


助手席には妻が、オープンな席(苦←定員は無視してください)には私が。


目的地まではいくらかかっても10分程だと思ってた。(もしもの一人旅のために地図は頭の中にしっかり入っていた)しかし分岐点で逆方向に進んでいく。結局、展望台・棚田・他集落をガイド付きで巡った後、現地入り。


ちょっと低いが軽トラで移動しながらの撮影はすごく快適。両足を踏ん張って体を固定し、高速シャッター・ノーファインダーでシャッターを切りまくった。意外と写るものである。


お蔭で諦めていた島の散策が実現した。丁度数週間前に某民放の「田舎に泊まろう」でこの島の風景が偶然紹介されていて欲がわいていた時だったのだ。


 実はこの方、市役所の職員。(普通の島民の方だったらガイド付とはならなかったと思う)島出身の元町職員で合併後(平戸市)本庁の管理施設に単身赴任中の永田郁郎さん。週末に帰省されていたときだった。車中の会話は同郷(長崎)の話で盛り上がっていたようだ。私は後ろで撮影三昧。妻と歩いてなかったらこんなこと無かったかも(笑)


 観光色まったくなし、農漁村がそのまま残ってる。タクシー無いし病院が無い。たぶん食堂も無い。お昼は長田さんちでいただくことになって、食後は船の時間まで見落としたところを奥様の運転で案内いただいた。永田夫妻にスペシャルサンクスの旅となりました。


 


あっ、神浦の話ね。


まずはテキストから。近世から近代にかけての離島の歴史的風致を残し、中世末期から近世初期にかけて成立した漁村集落が鯨組の創業と廃業という出来事を経て近世的な港町に変容していった姿を今日に良く伝えている。江戸中期から昭和前期までの特質を示す切妻平入造の町屋の軒が見事に並んでいる。


 


一見してわかる。地割りはほとんど変わってない。裏の猫の額ほどの畑も気になる。道の拡幅も無いところが多く、道の形に添って建て直してる。緊急車両なんて入るとこまででいいでしょ。


今までは大火も無かったようですけれど、今後は防災計画はきちんと実践版まで練る必要があるかもしれませんね。空き家はあるけれど、空き地は数えるほどしかない。へたに崩れたらもたないと言う造りでもあるけどね。いや~、記憶に残るすばらしい町並みでした。なにより人がいい。声をかけても、すぐ答えていただいた。人も財産ですよね。 永田さんまたお邪魔しますねー。お世話になりました。やっと発表できました。


 


 


 


長崎  平戸市大島村神浦 港町 21.2ha 080609選定


by you-zooo | 2010-01-19 00:10 | 重要伝統的建造物群保存地区 | Comments(0)

ゆっくりした旅が出来ない男の旅の綴り


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